冬を越え、3月から収穫される「河内晩柑」

河内晩柑の旬は3月下旬から長いと8月ごろまでです。
でも通常のかんきつと同様に、5月ごろに花が咲き実がつき、徐々に大きくなり、11月ごろから色づき始めます。
冬が旬の通常のかんきつは、寒くなる前に収穫されますが
河内晩柑はそこから真冬の寒い時期を越えて出荷を迎えるため、寒さや強風などの影響を受けて、
また木自体が自分自身を守るために、この冬の時期に自然に実が落下してしまうことが多い品種です。

その数は出荷量と同じとも

写真は2023年1月ごろの愛南町の河内晩柑園地です。一面、黄色いじゅうたんのように落下した河内晩柑で埋め尽くされてしまっています、、、

落下した河内晩柑は

落下してしまった河内晩柑は、市場などには出荷することができないルールで、また拾って捨てる手間もかけられなければ、捨てる場所もないため、写真のように園地に放置されます。

もう一つの問題とは

写真は実際に落下した河内晩柑を拾獲(収穫ではなく)したものです。

実は、この拾獲にはもう一つ問題があり、栽培に利用している薬剤の残留農薬基準の関係で12月までに落下したものは使うことができず、1月以降に落下したものを選別して利用しなければならないのです。

その手間は相当なもの

もし、この薬剤を使わずに栽培できる栽培体系が当たり前になれば、大きなイノベーションになると思うのです。

落果でも味は問題ない

旬の時期の前に落下してしまった河内晩柑ですが、問題なく食べることができます。その年の気候などによりますが、やや酸味が強いですが糖度はしっかり旬の時期と変わらないほどになっています。

つまり、落下したものでも普通に流通されている
また、薬剤をかけて見た目がきれいなものを栽培しなくても普通に流通されている

そんな社会が目指すべき理想だと思っています。

落下しても売れる世の中に

これまで生産現場では、いかに落下しないようにするかを考えていました。

でも、落下でも問題なく流通する世の中になれば、余計な薬剤を使う必要はなくその分経費も削減できる、農家さんの所得向上にもつながると信じています。

また、消費側も見た目が悪いものでも普通に購入するという消費行動を変えるきっかけになるのではないでしょうか。

このような社会を実現すべく、ぜひご賛同いただけたら幸いです。